外国との収引であり、全額前払いが原則なのだから、送金したとたんバッタリということになったら、こっちも受話器をかかえたままバッタリということになるからだ。評判を聞き、会社案内を取り寄せ、しっかりした会社を突き刺すような眼力をもって三つ選ぶ。これは互いに見積もりを出させるためである。図面をそれぞれに送ってやる。この図面は面図や屋根図、フレーム図など詳しければ詳しいほどいいし、当然各部の材料の指定、マテリアルリストもできるだけ細かく入れてやる。
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一方、遠く日本から太平洋をこえて渡ってきた図面を受け取った当の資材会社は、ひとつひとつ部材を拾いだすという作業に入り、見積もりを出す。この期間二週間。普通は有料で、一件三百ドルくらいはする。このとき注意しなけりゃならないのは、見積もりは、日本の現場近くの港までの運賃も入ってなんぼ、というのにしてもらうこと。東京ならCIF東京とか、関西ならCIF神戸とかいう具合になる。このCIFのIはインシュランス(保険)のIで、雨が降ろうが槍が降ろうが船が沈もうが、荷物に損害があればカバーしてくれるやつだから絶対に必要だ。三社の見積もりが揃った時点で、送られてきた数字を机の上に並べてしっかりと中身をチェックする。特に、床材、屋根材、外壁材、そして窓とドアのマテリアルが注文通りになっているかどうかを見定める。この時ばかりは、女房の欠点をあげつらうような目が必要だ。で、おおむねこんなもんだと納得したら、一社に目星をつけて、さあ出発。どこへって、アメリカに決まっている。