座敷を中心に茶の間、広縁の拡がりが、この住居の中央部分に家族の領域を形成しているが、次の間にあたる〈祖母のへや〉もその一部をなしていた感がある。いつも開放されていたし、茶の間から庭に抜ける風は心地よく、子どもの昼寝の場でもあった。一方〈お座敷〉は、毎日掃除し、仏壇の水を換え、お経をあげ、コタツに炭を入れる祖母の領域として意識できた。この続き間はやはり一つながりの空間として思い起こされる。そして(お座敷)の中心性はそこが祖母の領域であるということによって強められていた。
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取り壊す五年前、祖母のお葬式をしたのもこの続き間である。続き間らしい使い方をしたのは、祖父の葬式と、二十三回忌の法事と、このときの三回だけである。欄間の長押が祭壇の写真を少し見にくくしていた。