東京都も内閣の都市再生本部も、都心部の「活性化」を強調しているが、大手企業も賃料の高い都心部から脱出し、外延部に自社ビルを建てて移動する動きが目立ち始めている。こうした傾向は不況が長期化し企業の経費削減が至上命令になったこの数年で拍車がかかっている。三菱重工の前身である三菱造船は一九一七年に、三菱グループの発祥の地である丸の内の賃貸ビルに本社を構えた。それから八六年たって品川グランドコモンズの自社ビルに引っ越す。
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同ビルがインターネット時代の仕様になっているからというばかりではない。都心の高い賃料を払い続けるより、自社ビルヘの投資を八年で回収できるほうがメリットが大きいという。また、都市再生のスローガンのひとつである職・住・遊も、ここで見る限りほとんど絵空事である。いくら大手企業といっても多くのサラリーマンやサラリーウーマンにとって、億ションに手は届かないし、手取りの月給が右から左に消えるような賃貸マンションも絵に描いたモチである。