産業優先から福祉優先へと方向を転換

2011.11.04

ドルショック以後、政策はこれまでの産業優先から福祉優先へと方向を転換しつつあったといわれる。果してそうか。ここでも住宅政策は単なる景気浮揚策として、資本企業の利潤率低下傾向の歯止めとして機能しているだけのようにみえる。たとえば47年度の国家予算(政府原案)は、不況からの脱出を旗印に、一般会計で11兆4676億円、財政投融資5兆6350億円という空前の大型予算となった。大型を反して住宅(公営)建設にも1484億円というかつてない規模の予算がついた。

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政府はこれによって公営住宅11万5000戸、改良住宅1万4000戸、公庫住宅27万5000戸、公団住宅8万8000戸、合わせて約49万戸の建設を目論んでいる。だが、「大型の住宅予算が実現したとしても、住宅建設の目論見は簡単には実現しないだろう」という悲観的見通しが強くなされた。建設省は予算編成時から、人口集密地帯である東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の各自治体責任者か呼び、「予算はうんとはずむから、47年度は公営住宅の建設に大馬力をかけてほしい」と要望した。これは戦後かつてみることのできなかった積極的な姿勢である。本来なら、この建設省の呼びかけは、住宅不足に悩むこれら各自治体にとって闇の中の光明として受けとめられてしかるべきものであった。




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